体力科学
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走及びジャンプトレーニングによるラット骨格筋ミオシン重鎖アイソフォーム組成の変化
辻本 尚弥鈴木 英樹春日 規克石河 利寛
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1995 年 44 巻 1 号 p. 97-103

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抄録
本研究では, 成熟ラットの骨格筋ミオシン重鎖に注目し, 持久的な走トレーニングと瞬発的なジャンプトレーニングに対する影響を検討した.実験動物は, 対照群, 持久性走運動群及びジャンプ群を設けた.トレーニング終了後, 足底筋よりミオシンを抽出し重鎖 (MHC) アイソフォームを分離, 相対的構成比を分析した.主な結果は以下のとうりである. 1) 足底筋の筋重量及び相対的筋重量は, 対照群に比べて両トレーニング群では増加していた. 2) 筋蛋白質濃度は, いずれの群間でも差がみられなかった. 3) MHCアイソフォームの相対的構成比では, 対照群に対し両トレーニング群ともに, タイプI MHCとタイプII aMHCには変化がみられず, タイプII dMHCは有意に増加し, 相対的にタイプII bMHCは減少した.
以上の結果より, トレーニングにより蛋白濃度は変化しないが, 筋蛋白の主成分であるミオシンアイソフォームに変化が認められた.また同様な変化が, 持久的なトレーニングだけではなく瞬発的なトレーニングにおいても同様にみられることが示された.
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© 日本体力医学会
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