分泌した汗を濾紙に吸収させる方法を用い, 種々なる行動様式の冬山登山に際しての胸部及び背部皮膚の発汗量を測定し, 次の結果を得た。
1) 発汗量には著明な個人差が認められる。
2) 各個人について言えば, 行動時間を一定とすれば, 急斜面を荷物を背負つて登る場合の方が, 緩斜面を荷物を背負わずに登る場合より発汗量は多大である。
3) 長時間の行動に際しては, 小刻みに運動, 休憩を繰り返すことによつて発汗量を制限し得る。
4) 背部皮膚は胸部皮膚より発汗量が多大であるから, 被服の背面も開閉自在にすることが望ましい。