肝外門脈閉塞症 (EHO) において, 腹部手術後二次的にEHOが発症する場合を取り上げ, その血行動態と治療法について検討した.1987年~1997年までに7例 (自験例2例) の報告があり, 男女比4:3, 平均年齢53.6歳最終手術後にEHOが発症するまでは平均16.4年であった.全例門脈本幹に閉塞があり, 6例に求肝性側副血行路が形成され, そのうち4例は門脈海綿状血管腫であった.自験例は胆道術後に発症し, その他脾摘後発症が2例あり, 数回の腹部術後に発症した症例が3例あった.治療は門脈閉塞を解除せず, 求肝性側副路を温存した直達手術2例, 内視鏡的治療1例と, 門脈閉塞を解除したinterventional radiology治療1例, 不明2例であった.EHOは肝機能良好なため, 従来手術が第一選択であったが, 全身状態, 局所の原因によっては, 今後手術以外の治療法も選択枝として考える必要があると考えられた.