1998 年 4 巻 4 号 p. 451-454
症例は63歳, 女性.HCV抗体陽性の肝硬変症.食道静脈瘤に対し, 内視鏡的硬化療法を施行後の経過観察中, 大量の新鮮下血を来し入院.大腸内視鏡検査, 腹部CT, 血管造影, 超音波内視鏡, カラードプラ超音波内視鏡などの各種画像検査を行い, 出血源を直腸静脈瘤と診断, 透視下での硬化療法を行い, 下血, 静脈瘤の消失が得られた.また, 硬化療法後のカラードプラ超音波内視鏡で直腸静脈瘤の血流廃絶を確認することができた.直腸静脈瘤の診断, 治療効果判定にはカラードプラ超音波内視鏡検査がきわめて有用であると考えられた.