2017 年 54 巻 2 号 p. 120-125
Leukostasisは小児白血病による白血球増多症の重症な合併症の一つである.白血球数増多でleukostasis発症は増えるが,芽球の大きさ,変形能,接着因子の発現などもleukostasisの発症に関与する.このため,leukostasisの発症頻度は急性骨髄性白血病,急性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病で異なっている.Leukostasisは血管内で白血病細胞の凝集や白血球塞栓が生じ,組織の低酸素状態を誘導し,主に中枢神経系と肺が主要な障害臓器である.Leukostasisの病理学的定義は明確であるが,臨床的に確定診断される例は稀である.leukostasisは早期死亡のリスクとなるため,oncologic emergencyの一つである.治療は,重篤な症状が出現した場合にleukapheresisは有効である.重要なことは遅滞なく化学療法を導入することである.