日本小児血液・がん学会雑誌
Online ISSN : 2189-5384
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症例報告
診断時に骨髄の膠様変性を伴う血球減少を認めた鞍上部原発胚細胞腫瘍の1例
城戸 祟裕小林 千恵矢板 克之穂坂 翔鈴木 涼子福島 紘子八牧 愉二岩淵 敦室井 愛矢野 陽子福島 敬齊藤 久子須磨崎 亮
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2018 年 55 巻 2 号 p. 199-203

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抄録

生来健康で活発だった14歳女児.診断の1年前より頭痛と食思不振,意欲低下があり,6か月前より頻回の嘔吐がみられ経口摂取量は更に低下した.病前と比較し–13.5 kg(36%)の体重減少をきたし神経性食思不振症を疑われたが,頭部CTで下垂体上部から第3脳室を占拠する6 cm大の腫瘤性病変を指摘された.血清hCGの上昇と病理組織からGerminoma with STGCと診断し,化学療法はICE療法を選択した.閉塞性水頭症,汎下垂体機能不全,中枢性尿崩症による高張性脱水に加え,2系統の血球減少(Hb 9.0 g/dL,Plt 5.8万/μL)を認めた.骨髄は低形成で膠様変性を伴い,造血回復の遅延が懸念されたため化学療法は減量した.全脳全脊髄照射は回避し,全脳室照射と局所照射を行った.栄養状態の改善に伴い膠様変性は消失,治療終了後血球は正常化した.骨髄に膠様変性をきたす疾患として神経性食思不振症が多く報告されているが,本症例では類似の低栄養状態に加え,下垂体機能不全の要素が関与したと考えられた.

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© 2018 日本小児血液・がん学会
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