Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
硬膜外脊髄刺激筋誘発電位と経頭蓋刺激筋誘発電位の波形導出効果の比較
舩場 真裕今城 靖明永尾 祐治鈴木 秀典西田 周泰坂井 孝司
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2021 年 12 巻 12 号 p. 1350-1355

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抄録

はじめに:脊髄を直接的に刺激する硬膜外脊髄刺激筋誘発電位(Sp-MEP)と従来の経頭蓋刺激筋誘発電位(Tc-MEP)の波形導出を比較することを目的とした.

対象と方法:術中にSp-MEPの測定に同意がえられた5症例を対象とした.Tc-MEPでは導出筋は頸椎疾患では上肢は三角筋(deltoid),上腕二頭筋(biceps)および小指外転筋(ADM),下肢は大腿四頭筋(Qc)と母趾外転筋(AH)とし,胸椎疾患では上肢はコントロールとしてADM,下肢はQc,TA,AHとした.

硬膜外脊髄刺激は硬膜外刺激用カテーテルを2~3極分ほど椎弓を除圧した頭側の椎弓下へ挿入し刺激強度は15~20 mAとして10~15回連続刺激して加算平均した.導出筋は頸椎疾患では上肢はdeltoid,bicepsおよびADM,下肢はQcとAHとし,胸椎疾患では下肢はQc,TA,AHとした.

結果:Sp-MEPがTc-MEPよりも振幅増大がえられていたのは全46筋中11筋(23.9%)であった.内訳はdeltoidが8筋中2筋(25%),bicepsが8筋中2筋(25%),ADMが8筋中0筋,quadricepsが10筋中4筋(40%),TAが2筋中0筋(0%),AHが10筋中3筋(30%)であった.

結語:刺激強度が最大20 mAではTc-MEPよりもSp-MEPが波形導出には有利にはならなかった.

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© 2021 Journal of Spine Research編集委員会
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