Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
矢状面脊柱アライメントが腰部脊柱管狭窄症における後方除圧術の臨床成績に与える影響
玉置 康之打越 顕
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 12 巻 5 号 p. 780-784

詳細
抄録

はじめに:矢状面脊柱アライメントが腰部脊柱管狭窄症における後方除圧術の臨床成績に与える影響について検討した.

対象と方法:対象は神経症状が主訴である腰部脊柱管狭窄症98例である.男性61例,女性37例,年齢は平均72歳,観察期間は平均11ヶ月であった.SVA 50 mm以下の51例をN群,51 mm以上の47例をK群とし比較検討した.

結果:N群とK群のJOAscore改善率はそれぞれ平均57.7%,54.3%,腰痛VAS変化量は平均-16.8 mm,-28.3 mm,下肢痛VAS変化量は平均-19.2 mm,-42.4 mm,下肢しびれVAS変化量は平均-21.7 mm,-38.7 mmであった.JOABPEQ獲得点数では,疼痛関連障害は平均16.3点,32.5点,腰痛機能障害は平均5.8点,23.6点,歩行機能障害は平均22.7点,25.0点,社会生活障害は平均11.2点,25.7点,心理的障害は平均3.8点,14.4点であった.下肢痛VAS,腰痛機能障害は,K群が有意に改善していた.

結語:矢状面アライメント不良でも神経症状が主訴であれば後方除圧術で良好な成績が得られる可能性がある.

Fullsize Image
著者関連情報
© 2021 Journal of Spine Research編集委員会
前の記事 次の記事
feedback
Top