Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
単一術者による内視鏡下腰椎椎間板摘出術の学習曲線に関する検討
圓尾 圭史有住 文博楠山 一樹吉江 範親楠川 智之都井 政和橘 俊哉
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2021 年 12 巻 8 号 p. 1025-1029

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抄録

はじめに:脊椎内視鏡の経験がない術者が内視鏡下腰椎椎間板摘出術(MED)を開始し学習曲線と問題点について検討した.

対象と方法:2014年11月から2020年2月までの間に脊椎内視鏡の経験がない単一術者が行った脊椎内視鏡手術191例のうち,MED連続141例を対象とした.平均年齢は48.9±17.5歳,男性84例,女性57例であった.検討項目は手術時間,出血量,合併症を調査した.学習曲線は手術時間を症例30例ごとに分けて検討した.

結果:平均手術時間は80.4±23.9分,出血量は2.3 ml±10.5 mlであった.初期30例の平均手術時間は107.8±28.9分,31~60例は83.1±16.8分,61~90例は68.8±12.8分で有意に短縮し91例目以降は同程度であった.合併症は硬膜損傷2.1%(3例),下関節突起骨折0.7%(1例),血腫0.7%(1例),ヘルニア再発0.7%(1例)であった.感染,レベル誤認,従来法切り替えは認めなかった.

結語:本邦の脊椎内視鏡研修システムで脊椎内視鏡を開始したが学習曲線は緩やかであるが合併症は少なく安全に行うことができた.

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© 2021 Journal of Spine Research編集委員会
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