2025 年 16 巻 10 号 p. 1243-1249
はじめに:マルチスケールテクスチャーチタン合金(MSTT)ケージとpoly-ether-ether-ketone(PEEK)ケージを用いた単椎間PLIF症例を比較し,cyst signやcage subsidenceに加えて固定上位椎体海綿骨の骨梁構造の変化について比較検討した.
対象:対象は腰椎変性疾患に対してPLIF手術を施行し術後1年以上経過したPEEKケージ30例,MSTTケージ44例である.CTを用いて術後1年時のケージ頭尾側の椎体終板のcyst signとcage subsidenceについて調査した.ケージ頭側椎体の海綿骨の平均HU値を算出して経時的な推移を検討した.
結果:Cyst signの出現頻度は有意差がなかった.Cage subsidenceはMSTT群がPEEK群と比較して有意に低下していた.固定上位椎体海綿骨のHU値はMSTT群で術後1年まで上昇がみられた.術後1年時のHU値はMSTT群がPEEK群と比べて有意に高値であった.
結語:MSTTケージは初期安定性に優れたcage subsidenceの少ないバイオアクティブチタンケージである.