2016 年 11 巻 1 号 p. 321-325
【緒言】終末期悪性腫瘍患者の予後予測において,最も頻用されているツールの1つにPalliative Prognostic Score (PaP) がある.PaPの対象疾患は,腎がんを除く悪性固形腫瘍で,血液悪性疾患は除外されている.【目的】終末期血液悪性疾患に対してPaPを用いて予後予測することが,妥当で有用であることを明らかにする.【方法】当院ホスピス病棟に入院した終末期血液悪性疾患患者18例に対して,PaPを用いて予後を予測し,予測精度を先行研究と比較する.【結果】21日生存予測の感度は91.7%,特異度は83.3%,陽性的中率は91.7%,陰性的中率は83.3%,正診率は88.9%,30日生存予測の感度は72.7%,特異度は85.7%,陽性的中率は88.9%,陰性的中率は66.7%,正診率は77.8%で,良好な予測精度であった.【結語】終末期血液悪性疾患患者に対してもPaPを適応できる可能性がある.