Palliative Care Research
症例報告
ベンラファキシンを投与した結果,抑うつ症状と神経障害性疼痛の改善を認めた肺がんの骨転移症例
寺田 忠徳北村 典章中西 司
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11 巻 (2016) 4 号 p. 553-557

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抄録

【緒言】ベンラファキシンを投与した結果,抑うつ症状や神経障害性疼痛の改善を認めた肺がんの骨転移の症例を経験した.【症例】84歳,女性.肺がんの右大腿骨転移による骨折で当科に転院した.転院時より疼痛並びに抑うつ状態を認めた.オキシコドン徐放剤を増量したが,骨痛,神経障害性疼痛の残存を認めた.さらに抑うつ状態は続いた.ベンラファキシンを投与し,抑うつ状態,骨痛,神経障害性疼痛が改善した.【考察】ベンラファキシンは低用量では主にセロトニン系に,高用量ではセロトニン系とともにノルアドレナリン系の作用が強まるというデュアルアクションを特徴としている.低用量で抑うつ状態の改善を認め,高用量で骨痛,神経障害性疼痛の軽減を認めた.本邦ではがん患者のみならず,抑うつ患者でもベンラファキシンを投与した報告例がまだ認められていない.ベンラファキシンは患者,家族に恩恵がある薬剤であることが本症例から示唆された.

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© 2016日本緩和医療学会
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