Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
Original Research
Factors Affecting Quality of Life of Family Caregivers of Cancer Patients: Study Using the Japanese Version CQOLC (The Caregiver Quality of Life Index-Cancer)
Ikuko SugiyamaHaruna ShojiNaoko IgarashiKazuki SatoMiyako TakahashiMitsunori Miyashita
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2017 Volume 12 Issue 3 Pages 259-269

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Abstract

【目的】がん患者の家族介護者のquality of life(QOL)に影響を与える因子を明らかにする.【方法】2012年3月にインターネット調査で,がん患者の家族400名に日本語版CQOLCの21項目を調査した.【結果】CQOLCの4つのドメインのうち,心理的負担感を高める因子は介護者が女性,要介護のほかの家族がいる,介護の必要性が高いことであった.介護による生活の支障を増加させる因子は介護者が女性,要介護のほかの家族がいる,患者との関係が良好だと思わない,介護の必要性が高いことであった.経済的負担感を高める因子は介護者の年齢が60歳以下,患者が発病してから収入が減少した,患者の性別が男性であることだった.介護肯定感を高める因子は患者との関係が良好だと思う,介護の必要性が高いことであった.【結論】がん患者の家族介護者の負担感を軽減し,介護肯定感を失わずに介護を続けるために様々な側面からQOLを向上する取り組みの重要性が示唆された.

緒言

がんは30年以上にわたりわが国の死因別死亡率の第1位である.がんと診断された患者の多くは身体症状に加え,不安や苦悩などの様々な感情を経験する.がん対策推進基本計画の全体目標の一つとして「すべてのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の向上」がある1).がん患者の闘病において家族は重要な役割を果たし,患者の精神面や意思決定等の場面で多くのサポートを提供するが,がんと診断された場合,患者だけでなくその家族も様々な経験をする.わが国の先行研究では,再発または緩和ケアを必要とする転移性消化器癌患者の家族介護者は,全国平均より心身ともにquality of life(QOL)が低いことが明らかになっている2)

がん患者の家族介護者が受ける影響には様々なものがある.がん患者の苦痛に比例した心理的影響,疾患の経過に伴い人生の意義や実存的疑問を有する霊的影響,睡眠障害や疲労などの身体的影響,治療や介護サービス利用による経済的影響,介護そのものと介護サービスの手続きによる時間的損失等の社会的影響も受ける36).一方,介護者が受けるのはマイナスな影響だけでない.介護によって満足感,心理的幸福,患者への親近感等を得ることが介護を続ける意志に関連することが示されている7).また,家族介護者のQOLの悪化と関連する要因として,介護者の年齢や性別,患者との関係性,患者の苦痛の程度などが明らかになっている810).反対に,家族介護者のよいQOLには,介護者と患者の年齢の若さや入院目的が関係していることが明らかになっている2).しかし,がん患者の家族介護者のQOLに関する調査はほとんどが海外で行われたものであり,日本で行われた調査はまだ数少ない.

がん患者の家族介護者に焦点を当てたQOL評価尺度としてThe Caregiver Quality of Life Index-Cancer (CQOLC)がある11).原版は米国で開発され,2013年に心理的負担感,介護による生活の支障,経済的負担感,介護肯定感の4ドメインを有する日本語版CQOLCの信頼性と妥当性が確認されている12).この尺度を用いることで,介護の苦痛や不安を軽減する側面だけでなく介護への肯定感を高める側面等様々な側面からがん患者の家族介護者のQOLを捉えることが可能であるが,各ドメインに影響を与える因子を検討する研究はまだ行われていない.そのため,本研究では日本語版CQOLCを用いてがん患者の家族介護者のQOLに影響を与える要因を明らかにすることを目的とする.

方法

調査対象:インターネット調査会社(株式会社インテージ)に登録されている20歳以上のがん患者の家族400名を抽出した.がん患者の家族の抽出は,まず家族にがん患者がいるか,次にそのがん患者は介護が必要かどうか, 最後に患者をおもに介護しているかどうかを尋ねた.これらの質問のすべてに該当する者を対象とした.本研究では,家族とはがん患者が病気に対して最もよく相談する相手と定義した.

調査方法:インターネット調査会社(株式会社インテージ)にサンプリングとデータ収集を依頼し,2012年3月にインターネット調査を行った.

調査項目:(1)患者とその家族介護者の人口統計学的特性,患者ががんに罹患する前後での就業状況などの変化(2)日本語版CQOLCの心理的負担感,介護による生活の支障,経済的負担感,介護肯定感の4ドメインの21項目について「あなたのご家族が病気になったことによって,以下の項目についてあなたはどう思われますか.この1週間のことについてお聞きします.1: 全くそう思わない~6: 非常にそう思うの中から1番よく当てはまるものを選んでください」と尋ねた.4ドメインのうち心理的負担感,介護による生活の支障,経済的負担感の3ドメインの得点が高いことはがん患者の家族介護者の低いQOL,また介護肯定感のドメインの得点が高いことは高いQOLを示す.

分析方法:各ドメインの合計点と人口統計学的特性等の変数について記述統計,Kruskal-Wallis検定とSpearmanの順位相関検定を用いて単変量解析を行った.また,単変量解析においてp値が0.2以下の変数で変数減少法による重回帰分析を行った.有意水準は0.05以下とし,統計ソフトはJMP Pro11を使用した.

倫理的配慮:東北大学大学院医学系研究科倫理委員会の承認後に実施した.調査への参加は開示文書にて説明を行ったのちに自由意志であり,また研究者は個人情報を取得せず統計的に処理されたデータのみを取得した.

結果

患者とその家族介護者の人口統計学的特性を表1に示す.回答数は400人であり,家族介護者の平均年齢は48±12歳で,性別は男性が50%であった.介護者からみた患者との関係は,子供が53%,配偶者は24%,親が14%であった.就労状況はフルタイム勤務が57%と最も多かった.患者が発病してから就労の変化があった人は30%であった.介護者の収入の変化は,変化がないが53%,下がったが45%であった.患者の平均年齢は71±15歳で,性別は男性51%であった.診断からの年数は5年以上が28%,1年未満が18%,1年以上2年未満が16%,2年以上3年未満が16%であった.治療状況は治療後の定期的な検査通院中が32%,病気そのものの治療中が27%,症状を和らげるための治療中23%であった.患者の活動状況は,PS(performance status:身体機能)0〜1が40%,PS 2〜3が46%,PS 4が15%であった.

表1 対象者(介護者・患者)背景(n=400)

CQOLCのドメインごとの単変量解析の結果を表2に示す.心理的負担感では介護者の年齢が若く(p=0.04),性別が女性(p=0.02),婚姻状況が死別(p=0.04),就労の変化があり(P=0.02),その中でも休職した(p=0.03),辞職をした(p=0.03),患者が発病してから収入の変化があった(p<0.01),要介護のほかの家族がいる(p<0.01),患者との血縁が近く(p=0.02),患者の年齢が若く(p<0.01),患者のPSが高い(p=0.02),介護の必要性が高い(P=0.01)と答えた介護者の得点が低かった.介護による生活の支障では介護者が女性(p=0.03),就労の変化があり(p<0.01),その中でも就業時間が短縮した(p<0.01),辞職した(p=0.02),患者が発病してから収入が減少した(p<0.01),要介護の他の家族がいる(p<0.01),患者との関係が良好だと思わない(p<0.01),患者の原発部位が肺(p=0.04),患者のPSが高い(p<0.01),介護の必要性が高い(p<0.01)と答えた介護者の得点が低かった.経済的負担感では介護者の年齢が若く(p<0.01),世帯収入が少なく(p<0.01),婚姻状況が離別(p=0.03),就労の変化があり(p<0.01)その中でも就業時間が短縮した(p=0.02),辞職した(p=0.04),患者が発病してから収入が減少した(p<0.01),要介護の他の家族がいる(p=0.03),患者との関係が良好だと思わない(p<0.01),患者の年齢が若い(p<0.01)と答えた介護者の得点が低かった.介護肯定感では介護者の年齢が高く(p<0.01),婚姻状況が死別(p<0.01),患者との関係が良好だと思う(p<0.01),診断からの年数が浅い(p=0.01),抗がん剤治療を受けてからの年数が浅い(p<0.01),介護の必要性が高い(p=0.03)と答えた介護者の得点が高かった.

表2 CQOLCドメイン毎の単変量解析

重回帰分析の結果を表3に示す.心理的負担感を高める因子は,介護者が女性(p=0.02),婚姻状況が未婚(p<0.01),患者が発病してから収入が減少した(p=0.03),要介護のほかの家族がいる(p<0.01),患者が60歳以下(p=0.04),介護の必要性が高い(p=0.02)ことであった.また,配偶者はその他(親・子ども以外)と比較して心理的負担感が高かった(p<0.01).介護による生活の支障を増加させる因子は介護者が女性(p=0.01),患者が発病してから収入が減少した(p<0.01),要介護のほかの家族がいる(p=0.03),患者との関係が良好だと思わない(p<0.01),放射線治療を受けてからの年数が浅い(p=0.03),介護の必要性が高い(p<0.01)ことであった.また,介護による生活の支障を軽減する因子は原発部位が前立腺・膀胱・腎臓と比較して子宮・卵巣(p<0.01),その他(p=0.03)であることであった.経済的負担感を高める因子は介護者の年齢が60歳以下(p=0.01),世帯収入が低い(p<0.01),患者との関係が良好だと思わない(p<0.01),患者の性別が男性(p=0.04),患者が発病してから収入が減少した(p<0.01)ことであった.また,経済的負担感を低くする因子は介護者の婚姻状況が既婚と比較して死別であること(p=0.02)であった.介護肯定感を高める因子は患者との関係が良好だと思う(p<0.01),診断からの年数が浅い(p=0.01),介護の必要性が高い(p<0.01)ことであった.また,介護肯定感を低くする因子は介護者の婚姻状況が既婚と比較して未婚であること(p=0.01)であった.

表3 CQOLCドメイン毎の重回帰分析

考察

本研究では日本語版CQOLCを用いてがん患者の家族介護者のQOLの関連要因を検討した.主な結果として,介護者背景では介護者の年齢が若く世帯収入が低いほど経済的負担感が高く,介護者が女性であると心理的負担感と介護による生活の支障が高かった.患者背景では患者の年齢が若いと心理的負担感が高く,患者が男性であると経済的負担感が高く,介護の必要性が高いほど心理的負担感,介護による生活の支障,介護肯定感が高かった.また,関係が良好だと思うほど介護による生活の支障,経済的負担感が低く,介護肯定感が高かった.

介護者側の要因

介護者の年齢について,介護者の年齢が若いと経済的負担感が高くなることが示された.これは年齢が若いほど苦痛が高くなるという先行研究と一致した10).経済的側面での関連があることが明らかになった一方で心理的側面では関連が見られなかった.これは介護者の年齢が低いことによる収入の不十分さや不安定さを表すと考えられる.また,介護者の性別が女性の場合,心理的負担感と介護による生活の支障が高くなることが明らかになったが,これは男性に比べて女性の方が負担感は高くなるという先行研究と一致した13).女性は文化的,社会的に介護者の役割を担うことが多いが,家事や仕事と並行して介護を行わなければならない状況では,介護者の心や生活の余裕が少なくなり負担や支障を感じやすいと考えられる.介護者としての役割を個人的に抱えこまないために,周囲の助けや社会的支援を利用しやすい環境作りが求められるだろう.

本研究では世帯収入が低いほど経済的負担感が高くなること,患者が発病してから収入が減少すると心理的負担感,介護による生活の支障,経済的負担感が高くなることが示されたが,これは社会経済的地位(Socio Economic Status)が低いと苦痛が大きくなるという先行研究と一致した10).経済的変化が生活への支障だけでなく介護者の心理的側面へ影響することが明らかになった.治療や通院,介護サービスの利用等がん患者とその家族介護者にかかる経済的負担は大きい.経済的に豊かではない人を支える仕組みが必要だと推測される.

介護者の婚姻状況について,介護者の婚姻状況が既婚と比較して死別の場合に経済的負担感が低くなることが示されたが,本研究の死別と回答した人数は少なく更なる検討が必要である.また,既婚と比較して未婚の場合心理的負担感は高く,介護肯定感は低くなることが示された.平成20年度の内閣府の調査によると幸福度にプラスの影響を与える要因には,結婚している,子どもがいる,困ったことを相談できる人がいる等が挙げられた14).これは,心の支えとなる存在がいると幸福度が増すということが推測でき,婚姻状況が未婚の場合は介護者自身の心理的な支えになる人がいないことが多いため心理的負担感が高く,介護肯定感が低くなることに関係しているかもしれない.心理的な支えとなる公的支援や相談窓口などを整備していくことで未婚の家族介護者の心理的負担感を軽減することができる可能性もある.

患者側の要因

患者の年齢が若いと心理的負担感が高くなることが示された.Choiらの韓国版CQOLC尺度を用いた研究では患者の年齢が若い場合介護者の負担が高くなることが報告されており,同様の結果であったと言える15).心理的負担感のドメインでは介護者の悲嘆やストレス,患者の死への恐れなどの項目がある.患者の年齢が若いことにより,介護者はとくに悲嘆やストレス,患者の死への恐れが強いと考えられるため若い患者の介護者にはそのような不安等を表出,共有する場を設けるなど精神的な面でのサポートがより必要とされることが示唆された.また,患者の性別について,患者が男性の場合経済的負担が高くなることが示された.男性は女性に比べて生活を賄う主な収入源の役割を担うことが多く16),がんと診断されると治療や療養のために就労状況が変化し経済的打撃が大きくなるために経済的負担感が高くなるのだと推測される.

原発部位について,本研究ではがん患者の原発部位が前立腺・膀胱・腎臓の場合と比較して子宮・卵巣の場合介護による生活の支障が低くなることが示された.前立腺・膀胱・腎臓がん患者は男性が多く,子宮・卵巣がんは女性の疾患であるため,この結果の理由にがん患者の性別の違いがある可能性がある.しかし子宮・卵巣がんと同様に女性の罹患が多い乳がんでは関連が見られなかったため,原発部位とCQOLCの関連については更なる検討が必要である.

放射線治療からの年数について,本研究ではがん患者が放射線治療を受けた場合,治療からの年数が浅いほど介護による生活の支障が高くなることが示された.放射線治療を受けた患者の介護者への影響として,治療に伴う付き添いおよび送迎,家事の負担,患者の副作用への対処等が考えられる.放射線治療中や治療後にかけて副作用が出現することがあるが,対症療法や時間の経過による副作用減少で家族介護者の生活の支障も同様に減少した可能性がある.

がん患者の介護の必要性について,がん患者の介護の必要性が高いほど心理的負担感,介護による生活の支障,介護肯定感が高くなることが示された.介護の必要性が高くなることで介護者が介護に費やす時間が長くなると推測される.平松らの研究によると,がんに限らず介護時間が長くなることが介護者の介護負担感を高めるということが明らかになっており,介護のために長時間拘束されることでの生活の支障や心理的負担感に関連したと考えられる17).介護者が長時間拘束されない環境を整えるために,適切な社会資源の活用ができるよう医療者による支援が必要である.一方,広瀬らの研究では患者のactivities of daily living(ADL)が低くなるほど介護者の介護充足感が高まることが報告されている.介護者は患者のADLへの援助等を多く担うことにより介護そのものにやりがいや充実感,満足感を感じることができ,介護肯定感に繋がると考えられる18)

介護者と患者双方の要因

患者との関係について,患者との良好な関係性は家族介護者の介護肯定感を高め,介護による生活の支障と経済的負担感を低くすることが明らかになった.Siminoffらの研究によるとがん患者と家族のコミュニケーション評価尺度The Cancer Communication Assessment Tool for Patients and Families(CCAT-PF)という患者,介護者間の認識の差の大きさを図る尺度を用いて,その差が大きいことと家族の葛藤が大きいという認識,患者および介護者の幸福感の少なさ,表現の乏しさ,家族の団結力が薄いという認識に関連があると報告している19).これは,患者との関係性が良好な場合はコミュニケーションが良好になり患者と介護者双方における治療の意思決定や療養生活の希望等の認識や理解ができた状態で介護を行うことができるため介護者の生活の支障や経済的負担感を感じにくく,介護肯定感は得やすいと考えられる.

介護者と患者以外の要因

要介護のほかの家族の有無について,要介護のほかの家族がいる場合心理的負担感,介護による生活の支障が高くなることが示された.要介護のほかの家族がいる,つまり複数名の介護をしなければならない場合には介護に費やす時間や労力が増え,介護者の生活に介護が占める割合が大きくなるため負担や生活の支障が大きくなるのだと考えられる.日本では高齢化が進んでおり今後介護が必要となる人は増加していくと考えられ,複数名の要介護者を持つ家族介護者も増える可能性がある.複数名の介護を行うことになっても介護者の負担が大きくなりすぎないような取り組みが必要となる.

本研究の限界

本研究における限界として,3つの点が挙げられる.1点目はサンプルの一般化への限界である.本研究はインターネット調査であるが,インターネット利用者と非利用者には人口統計的属性の違いがあると言われている20).一般的にインターネット調査では回答者の年齢が若く収入が高い傾向があるため,本調査では高齢がん患者の配偶者や兄弟,患者の親,社会経済的地位が低い者が対象から除かれた可能性があり,バイアスがある集団である可能性がある.2点目はがん患者の療養場所を特定できなかったことである.本調査ではがん患者の療養場所について調査しなかったため,対象者が介護しているのが入院中のがん患者なのか在宅療養中のがん患者であるのかを区別することができなかった.がん患者の療養場所によって家族介護者のQOLも変化する可能性もあるため今度の検討が必要である.3点目は日本語版CQOLCはがん患者の家族介護者の身体的側面のQOL評価を反映していないことである.QOLの評価には身体的・精神的・社会的等あらゆる影響を考慮することが重要である.日本語版CQOLCは介護における心理的,社会的,経済的な負担だけでなく介護の肯定感という側面からもがん患者の家族介護者のQOLを捉えることが可能であるが,介護者の身体的側面の評価は行っていない.そのためがん患者の家族介護者のQOLを完全に反映しきれていない.

結論

本研究では日本語版CQOLCを用いてがん患者の家族介護者のQOLの関連要因を検討した.主な結果として,介護者背景では介護者の年齢が若く世帯収入が低いほど経済的負担感が高く,介護者が女性であると心理的負担感と介護による生活の支障が高かった.患者背景では患者の年齢が若いと心理的負担感が高く,患者が男性であると経済的負担感が高く,介護の必要性が高いほど心理的負担感,介護による生活の支障,介護肯定感が高かった.また,関係が良好だと思うほど介護による生活の支障,経済的負担感が低く,介護肯定感が高かった.がん患者の家族介護者の負担感を軽減し,介護肯定感を失わずに介護を続けていくために様々な側面からQOLを向上する取り組みの重要性が示唆された.

謝辞

本研究は,厚生労働科学研究費補助金「働くがん患者の職場復帰支援に関する研究─病院における離職予防プログラム開発評価と企業文化づくりの両面から」(H26-がん政策-一般-018,主任研究者 高橋都),「がん対策に資するがん患者の療養生活の質の評価方法の確立に関する研究.平成22-24年度厚生労働省科学研究費補助金(がん臨床研究事業)」の助成を受けて実施した.

References
 
© 2017 by Japanese Society for Palliative Medicine
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