Palliative Care Research
症例報告
終末期がん患者に対するステロイド使用中に続発した腹腔内遊離ガスを伴う腸管気腫症の1例
伊藤 浩明渡邊 紘章小田切 拓也
著者情報
ジャーナル フリー HTML

12 巻 (2017) 3 号 p. 535-539

詳細
本文(HTML形式) PDFをダウンロード (1568K) 発行機関連絡先
抄録

【緒言】末期脳腫瘍患者のステロイド使用中に腹腔内遊離ガスを伴う腸管気腫症を続発した症例を経験した.【症例】67歳,男性.脳腫瘍に対し手術・化学療法するも,病状進行により意識状態が悪化し誤嚥性肺炎にて入院.肺炎改善後も意識状態は悪く,予後1カ月程度と判断され,緩和ケア病棟へ転棟した.転棟後に意識状態の改善を目的としてベタメタゾン注1日8 mgを開始したところ一時的に改善が得られ,以後増減を繰り返しながら使用継続した.意識状態が再度悪化して誤嚥を繰り返すようになった投与6週間後に肺炎評価目的の胸部レントゲン写真で腹腔内遊離ガス像を認め,CTで腸管気腫症を確認した.腹部症状は乏しく保存的に経過観察したが,呼吸不全にて永眠された.【結論】腸管気腫症は殆どが続発性で,ステロイドも原因の一つとされているが,保存的に経過観察が可能なことが多く,ステロイド中止の判断はその効果や予後を考慮して行う必要がある.

著者関連情報
© 2017日本緩和医療学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top