2026 年 21 巻 1 号 p. 31-39
【目的】ホスピス・緩和ケア病棟から自宅退院を経験し,その後自宅または緩和ケア病棟で死亡した終末期がん患者の最終的な看取り場所が,看取りの方針と一致した割合は明らかでない.本研究の目的は看取り場所と看取りの方針との一致率を明らかにすることである.【方法】2018年に実施された多施設遺族調査の付帯研究として実施した.【結果】自宅で死亡した患者の遺族から202件,緩和ケア病棟で死亡した患者の遺族から157件の回答が得られた.自宅死亡例の80%,緩和ケア病棟死亡例の82%が方針と一致していた.不一致例の,緩和ケア病棟方針から自宅看取りに至った22例は「在宅看取りに対応する医師・看護師がいた」が最多であり,自宅方針から緩和ケア病棟看取りに至った11例は「自宅での痛み管理が不十分だった」が最多であった.【結論】看取り方針と看取り場所は約80%で一致しており,多くの患者が希望する場所で看取られていた.