2026 年 21 巻 1 号 p. 1-5
【目的】在宅療養中の腎機能低下を伴う進行がん患者のがん疼痛に対するフェンタニル(fentanyl: Fen)貼付剤からブプレノルフィン(buprenorphine: BUP)持続皮下注射へのオピオイド変更の有効性,安全性について報告する.【症例】48歳,女性.卵巣がん術後再発,肝転移,腹膜播種.腹膜播種によるがん疼痛に対してFen貼付剤37.5 μg/時間とオキシコドン速放性製剤5 mgを使用していたが,がん性腸閉塞悪化かつ高度腎機能障害のため,BUP持続皮下注射へ薬剤変更した.BUP持続皮下注射0.96 mg/日で開始,症状に合わせて漸増し1.2 mg/日に増量後は疼痛軽減が得られた.さらに疼痛悪化時にBUP持続皮下注射1.44 mg/日に増量し,疼痛は軽減した.BUP開始後の重篤な副作用は認めなかった.【結論】法律上麻薬指定ではないBUPは,迅速な薬剤準備が課題となる在宅医療の現場において高度腎機能障害患者のがん疼痛治療の選択肢となる可能性がある.