【目的】本研究は,緩和ケア病棟において睡眠障害に対するクロルプロマジン(CPZ)の投与実態を,とくにミダゾラム(MDZ)併用に着目して後方視的に検討した.【方法】対象患者126例を調査し,とくに,3日以上CPZを継続した98例について,睡眠スコアおよび日中の意識レベルの推移を評価した.【結果】MDZ併用は99例(78.5%)であり,CPZの有害事象は12例(9.5%)に認められ,過鎮静や錐体外路症状が主であったが,重篤な循環・呼吸抑制はなかった.CPZを3日以上連続投与した98例において,睡眠スコアには改善傾向がみられたが,日中の覚醒度が低下した症例も存在し,有害事象が過小評価されている可能性も否定できない.【結論】本研究は後方視的かつ単一施設の記録に基づく解析であり,評価指標や判断基準の主観性に限界がある.今後,有効性と安全性の確立には,標準化された評価尺度を用いた前向き研究が求められる.