【目的】本研究はがん経験者と美容業従事者の視点から地域の外見支援の実態と課題を明らかにし,支援の方向性を検討することを目的とした.多層的支援体制の構築に資する知見を得ることを意図した.【方法】患者58名,美容業従事者262名に質問紙調査を行い,量的分析に加え自由記述を内容分析し,社会生態学モデルに基づき統合的に整理した.【結果】患者調査では外見変化に伴う長期的な心理社会的負担,相談先の曖昧さ,地域資源情報の不足など課題が示された.美容業従事者は支援意欲が高い一方,知識・技術不足やプライバシー配慮と安全性判断の難しさ,医療との連携不足が支援の障壁となっていた.統合的分析の結果,外見支援へのアクセス障壁は個人のみならず,組織・地域・制度要因が相互に作用する構造的課題と示された.【結論】医療・美容・地域がそれぞれの役割を生かし協働する枠組みの必要性が示唆され,今後の支援体制構築に重要な知見を提供した.