Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
症例報告
終末期がん患者の掻痒感にミルタザピンが有効であった1例
荒木 裕登山中 幸典
著者情報
ジャーナル フリー

7 巻 (2012) 1 号 p. 510-513

詳細
PDFをダウンロード (288K) 発行機関連絡先
抄録

【目的】掻痒感は終末期がん患者の耐えがたい症状の1つである. 終末期がん患者の掻痒感にミルタザピンが有効であった症例を経験したので報告する. 【症例】70歳代, 男性, 脳原発悪性リンパ腫. 入院時, The Japanese version of the Support Team Assessment Schedule, 自覚症状ともに4/4の全身の掻痒感あり, 夜間も掻痒感のため不眠であった. DSM-IVに基づいて大うつ病と診断, 不安も認めるためミルタザピン15 mg/日の投与を開始したところ投与開始2日目より掻痒感は軽減し, 投与開始7日目には0/4程度にまで改善した. また, 掻痒感による不眠も改善した. 以降, 掻痒感は0~1/4程度に保たれ, QOLは維持できた. 【結論】最近, ミルタザピンは終末期がん患者のさまざまな症状緩和に有効であると報告されており, 掻痒感に対しても有用であると考えられた. 本例および文献的考察により, ミルタザピンは終末期がん患者の掻痒感を改善しQOLを改善する可能性があると考える.

著者関連情報
© 2012 日本緩和医療学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top