Palliative Care Research
症例報告
止血目的に緩和的放射線治療を2度施行した切除不能進行胃がんの1例
中野渡 正行尾崎 鈴子福原 敬飯田 道夫本間 次郎乙黒 雄平鈴木 恵士郎
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8 巻 (2013) 2 号 p. 538-543

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抄録

【症例】切除不能進行胃がんからの持続する出血により重度の貧血をきたし, 頻回の輸血が必要であった60歳代, 女性の症例を報告する. 出血コントロールのため, 胃がんに対して30 Gy/10回の放射線治療施行. タール便はすぐに止まり, ヘモグロビン値は上昇し, 輸血は不要となった. 1カ月後, 照射がなされた領域辺縁部から再出血. 24 Gy/8回の追加照射により止血は成功. 患者は4カ月間輸血の必要がなく良好に過ごした. 【考察】進行胃がんからの出血は, 腫瘍が摘出されなければそのコントロールは難しい. 内視鏡的な止血は困難な時が多い. 血管内治療(IVR)は動脈性出血であれば適応の可能性はある. しかし, 持続する静脈性出血の適応には議論の余地がある. われわれは放射線治療の実施により, 重大な合併症を引き起こすことなく止血することに成功した. それゆえ放射線治療は, 切除不能進行胃がんからの持続する静脈性出血に対して合併症に十分注意すれば有効な治療法になると考えられる.

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© 2013 日本緩和医療学会
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