2020 年 45 巻 4 号 p. 351-357
小児・思春期発症の悪性脳腫瘍サバイバーの低身長とGH補充療法の効果を検討した.広島大学病院で加療を行った18歳未満の患者で1年以上経過観察を行い無再発生存中,または10年間event freeの患者(胚細胞性腫瘍48人,胎児性癌32人)を後ろ向きに解析した.神経下垂体病変を有する患者では補充療法により低身長は改善するが,BMIが高値の傾向であった.低身長のリスク因子は脊髄放射線照射,低年齢発症,女性,末梢血幹細胞移植を伴う大量化学療法で,早期に適切なGH補充療法を行うことの重要性が示唆された.