2022 年 47 巻 3 号 p. 320-324
偶発的に指摘された頭蓋骨円蓋部腫瘤性病変からMcCune-Albright症候群(MAS)と診断した12歳男児例を報告する.頭部打撲時に撮影した頭部CTで偶発的に右頭頂骨に低吸収を認めた.ランゲルハンス組織球症などの腫瘍性病変を疑い頭蓋骨腫瘍摘出術を施行した.病理診断は線維性骨異形成であり,右肩部に認めたカフェオレ斑と併せて臨床的にMASと診断した.また採取した骨組織からGNAS遺伝子に病的バリアントを検出し,遺伝学的にもMASと診断した.MASの診断確定には病変部組織の遺伝子解析が有用である.