2025 年 50 巻 3 号 p. 20-25
Craniofacial surgeryを専門とする外科医として,体内循環血液量の少ない幼小児の頭蓋顔面手術他では,予想外の出血が起こりうることを念頭に置いて,事前に血管破格等の検討を行うとともに,鉄剤の術前投与や自己血輸血の準備,術中も低血圧麻酔やセルセーバの使用他の出血量を減らす工夫,そして出血に対する早めの対応など,小児麻酔医との普段と周術期の連携は極めて重要である.術中の危機的な多量出血等の要事においては,手術中止や術式変更も救命のため必要と考える.血が出たら入れる,というより,出るからいつでも入れる準備をしておくことが肝要である.