周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第15回
会議情報

シンポジウム B:治療
シンポジウムのまとめ
戸苅 創岡井 崇
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p. 132-133

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抄録

 今回のシンポジウム「胎児循環と新生児循環―新生児遷延性肺高血圧症をめぐる諸問題」は,過去に開催されたシンポジウムに比較して,いくつかの点でユニークな展開となった。なかでも最もユニークであったこととして,新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)なる疾患が,その発症原因および病態が出生後ではなく出生前に集約されることから,午前,午後を通してPPHNという一つの疾患をめぐって原因・病態・治療を一貫して討論できたことがあげられる。つまり,1疾患を1日かけて討論したシンポジウムは例をみないのである。

 また,PPHNの定義,概念が医師間で微妙に異なることがあらかじめ判明していたため,学会当日に限ってこれを統一したこともユニークな点であった。すなわち,学会開催の約1年前に各シンポジスト,関連演題発表者が決定されたが,その折,早速,各演者に座長名でアンケート調査を実施し,PPHN関連用語の定義・概念の微妙な差をまず把握し,次いでこれも座長の責任下で,学会当日に限ってそれらを統一して使用するようお願いしたのである(この詳細な用語の統一に関しては,巻頭の「序にかえて」を参照していただきたい)。

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© 1997 日本周産期・新生児医学会
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