日本義肢装具学会誌
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原著
上肢切断者に対する能動義手,筋電義手の現状と課題
—当院6年間の義手処方と処方後調査より—
田中 洋平上野 高明田中 清和
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2017 年 33 巻 1 号 p. 56-59

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抄録

上肢切断者に対する能動義手や筋電義手は,処方後しばらくすると,使用中止や使用頻度の低下に至ることがある.我々は上肢切断者の能動義手,筋電義手について処方後の使用状況を調査した.対象は,2009年から2015年までに当院で能動義手,筋電義手を作製し,追跡可能であった成人片側上肢切断者21例を対象とした.上腕筋電義手,上腕能動義手,前腕能動義手において,義手の使用中止や使用頻度の低下があり,その主な理由は義手の重さ,頚部·肩周囲の疼痛,装着の面倒さであった.得られた課題を基に,今後も我々はより良い義手を提供できるよう,義手の改良や製作の工夫を行っていく必要がある.

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© 2018 日本義肢装具学会
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