2021 年 37 巻 2 号 p. 115-119
本稿では,支援機器の重要性が高まることを背景として,義肢装具との対比により,その開発促進に資する要件の抽出を試みた.ICFを用いた支援機器の特徴の抽出から,その開発では考慮すべき利用者の生活やステークホルダが多様である点が指摘された.それに対する解決策として,生活機能の分類を利用した支援機器のマッピング,および支援機器のコンセプト立案を行う方法論としてのFATIを提案した.さらに,FATIに基づく情報支援ロボットシステムの開発事例を示し,支援機器が抱える課題の解決策を示した.これらの議論を通して,今後の機器開発に役立つ知見を得ることができたと考えている.隣の芝生は青いと感じるだけかもしれないが….