2003 年 19 巻 4 号 p. 304-310
動的スプリントを装着しての手指自動屈曲時の伸筋収縮反応について, 3種の動的スプリント (牽引支点可動式タイプ, 従来型の Low-profile タイプ, High-profile タイプ) で調査し, 伸筋腱損傷修復後の早期運動療法への適応性について, 健常成人10名にて比較・検討を行った. その結果, (1)手指屈曲時の伸筋活動量, (2)手指屈曲時の伸筋最大収縮値, (3)無装着での手指自動伸展時の伸筋収縮反応に対する(1), (2)の比率の3点において, 牽引支点可動式タイプで有意に最も小さいものであった. このことから, 牽引支点可動式タイプは伸筋腱損傷修復後の早期運動療法として, 従来型2種と比較し安全に行える可能性が示唆された.