女性心身医学
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縦断的調査による妊娠期の身体活動量および不安と分娩との関連
渡邊 香織本岡 夏子古川 洋子渡邊 友美子
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2013 年 18 巻 2 号 p. 256-263

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抄録

【目的】本研究は,縦断的調査により妊娠期の身体活動量を明らかにし,不安および分娩経過との関連性を検討することを目的とした.【方法】対象は妊娠の経過が正常である初産婦28名であり,分娩経過との関連についての検討は37週以降の経膣分娩をした20名(正常分娩)を対象とした.また,帝王切開などの8名を異常分娩として,正常分娩との比較を行った.身体活動量(歩数,活動強度・時間)は,妊娠20週より分娩前日までの期間に,連続して生活習慣記録機を装着して得られたデータを対象とした.身体活動量は活動強度の低い順から,強度1〜3を低強度,4〜6を中強度,7〜9を高強度とそれぞれの身体活動に分類し時間を求めた.不安は妊娠13〜18週,妊娠24〜27週,妊娠32〜36週の3回,State-Trait Anxiety Inventory(以下STAI)の測定を実施した.【結果】歩数について回帰分析の結果,正常分娩であった妊婦では「歩数=8,719.73-55.76×妊娠週数」(p<0.001,Adjusted R^2=.646),異常分娩であった妊婦では「歩数=8,966.29-62.37×妊娠週数」(p<0.05, Adjusted R^2=.913)の回帰式が得られた.妊娠32〜36週のSTAIと妊娠末期の身体活動量との相関では,STAI状態不安と平均歩数,及び中強度身体活動時間に中程度の負の相関を認め,分娩所要時間と体重増加量,及び状態不安に中程度の正の相関を認めた.さらに「分娩所要時間(分)=693.43+69.97×体重増加量-7.24×妊娠末期の妊娠中期に対する歩数の比率」の重回帰式が得られた(p<0.05,Adjusted R^2=.339).【結論】妊娠中期以降の歩数は,妊娠週数を重ねるに従い減少すること,妊娠中の歩数よりも妊娠経過に伴う身体活動量の減少率と体重増加量が分娩所要時間に影響することが明らかになった.また,日常生活に中強度以上の身体活動に相当する早歩きを取り入れることで,妊娠期の不安を軽減できる可能性が示唆された.

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© 2013 一般社団法人 日本女性心身医学会
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