女性心身医学
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原著
若年および中年女性におけるボディイメージの歪みとBMI·食事との関連
魚谷 奈央岩井 香奈枝吉田 汐里森本 瑞希宮脇 尚志
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2020 年 25 巻 1 号 p. 11-18

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抄録

【目的】我が国では,若年女性のやせの増加に伴い,全ての病型の摂食障害の有病率が増加傾向にある.ボディイメージの歪みは摂食障害に大きく関与するとされている.そこで本研究では,若年および中年女性のボディイメージの歪みとBMI·食事との関連を明らかにすることを目的とした.【方法】京都市内で働く女性111名(20~40歳)を対象とした.Japanese Body Silhouette Scale type-I(J-BSS-I)を用いてボディイメージを測定し,BMIとの関連およびボディイメージの歪みが大きい者の特徴を検討した.摂食態度調査にはEating Attitude Test 26(EAT-26),食事調査には簡易型自記式食事歴法質問票(brief-type self-administered diet history questionnaire:BDHQ)を用いた.【結果】ボディイメージの歪みとBMIは有意な負の相関が認められた(r=−0.400, P<0.001).BMIが20.7 kg/m2を下回るとボディイメージを過大評価していた(AUC=0.661, P=0.006).ボディイメージの歪み高値群は低値群と比べ,洋菓子類の摂取量で有意に高値,揚げ物の摂取量で有意に低値を示し,10代でのダイエット経験がある者の割合が有意に高値を示した.【結論】これらの特徴は,栄養指導においてボディイメージの歪みが大きい者や摂食障害傾向の者を見つけ出す参考となる可能性がある.

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© 2020 一般社団法人 日本女性心身医学会
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