女性心身医学
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出産後の性生活(第1報) : 夫婦の性生活の認識に関する一考察
大井 けい子曽我部 美恵子岸 恵美子富田 真理子高村 寿子
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2000 年 5 巻 2 号 p. 150-154

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抄録

産褥3〜12ヵ月の女性とその夫69組の性生活の認識と満足の程度について調査した.その結果,産褥期にある夫婦の多くは性を「連帯性」にあると認識しており,男女別にみると女性の方に有意に高かった.「生殖性」は男女とも約半数の者が認識していた.「快楽性」と受けとめている者は男女とも少ないが,なかでも男性の方に有意に高かった.また,産後の女性の性行動欲求レベルは身体の接触が無くても「満足」とする者が約4割を占めた.しかし,性を「不満足」とする女性は「夫の協力がない」と感じていた.医療者からの性生活に関するサポートは,出産した病院で受ける退院指導がほとんどで,特に夫にはほとんどされていなかった.また指導された内容は「生殖性」が多く,「連帯性」や「快楽性」の視点は少なかった.

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© 2000 一般社団法人 日本女性心身医学会
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