日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネの出穂期関連遺伝子Hd6CKIIα)の機能解析
*小木曽 映里井澤 毅高橋 裕治佐々木 卓治矢野 昌裕
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p. 536

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抄録

短日植物イネのHd6遺伝子は、長日条件での開花抑制能を持ち、カゼインキナーゼII(CKII)のαサブユニットをコードしている。CKIIは他のモデル生物においては概日時計の重要な構成因子であり、長日植物シロイヌナズナにおいては概日時計を介した開花制御が示唆されている。そこで、イネにCAB1R::lucレポーター遺伝子を導入し、自由継続リズムをモニターしたところ、機能欠損型もしくは機能型Hd6アリルをもつ系統およびHd6を過剰発現する系統ともに有意な差がみられなかった。長日条件下でのOsLHY、OsGIおよび光周性花成制御遺伝子Hd1の定量RT-PCRによる解析でも、開花遅延を説明できるような大きな差は見られなかった。一方、Hd1の下流にあるHd3a,RFTの発現は播種後60日目に明確な差が見られた。また、Hd6による開花遅延に機能型Hd1が必要であることから、Hd6による開花遅延はHd1周辺のタンパク質のリン酸化が関わっていることが予想された。イネプロトプラストに一過的に発現させたタグ付きHd1を、タグの抗体で免疫沈降し、沈殿タンパク質のrHd6によるリン酸化を調べた所、Hd1ではなく、約30kDaの共沈タンパク質がリン酸化された。このことは、Hd6がHd1複合体をリン酸化することで開花を制御していることを示唆している。上記の結果をふまえ、Hd6の開花抑制機構に関して考察する。

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© 2007 日本植物生理学会
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