日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるサイトカイニン受容体アンタゴニスト化合物の発見
*荒田 勇登長澤 朝子釆女 英樹中島 寛樹柿本 辰男佐藤 良
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p. 0443

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抄録
新規植物生長調節剤の開発を目的とした探索で選抜した根部生長促進活性を有する化合物にサイトカイニン(CK)の受容体アンタゴニストを見出した。根部生長促進活性で選抜された一部の化合物の作用機構を解析したところ、CKの受容体遺伝子を発現する組換え酵母を用いた実験結果からCK受容体アンタゴニストである可能性が示唆された。選抜化合物から構造最適化を進めて活性の高いリード化合物を得るとともに、放射性標識したCKと組換え酵母から調製した受容体蛋白質を用いて受容体結合実験を行い、これらの化合物が放射性標識したCKと受容体との結合を非競合的に阻害することを証明した。一方、同様な作用性が推測された抗CK化合物はCKと受容体の結合を阻害しなかった。このようなCK受容体の非競合的アンタゴニストはこれまでに全く例のない新規作用性化合物である。次に、当該化合物で、シロイヌナズナにおいて主根伸長抑制や胚軸からのカルス形成等のCKによる効果を抑制する植物生理活性が明らかになった。また、CK誘導性のレポーター遺伝子(GUS)を発現する組換えシロイヌナズナにおいて、これらの化合物がCKのシグナル伝達を阻害してCK依存的なGUSの発現を抑制することを確認した。我々の見出したCK受容体アンタゴニストは、植物生理学研究におけるCKの機能解析の有用なツールや根部生長促進剤のリード化合物として期待される。
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© 2008 日本植物生理学会
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