日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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転写因子AtRSGによるGA生合成酵素遺伝子の転写制御機構の解析
*伊藤 岳渡邊 哲史竹尾 紘一山口 理絵深澤 壽太郎高橋 陽介
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p. 0255

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抄録
ジベレリン(GA)は高等植物の発芽、茎部伸長、花芽形成などを制御する植物ホルモンである。RSGはタバコのbZIP型転写因子で、GA内生量調節に関与する。ドミナントネガティブ型のRSGを発現させた植物ではGA内生量が低下し、GA生合成酵素遺伝子NtGA20ox1Ntc12)のフィードバック制御が阻害される。NtGA20ox1のプロモーター領域にはRSGの結合配列が存在する。GA内生量が低下すると、RSGはNtGA20ox1のプロモーターにin vivoにおいて結合することがクロマチン免疫沈降法により示された。RSGの機能制御にはカルシウム依存性タンパク質キナーゼや14-3-3が関与することを明らかにしてきたが、GA信号伝達において中心的な役割を果たすDELLAタンパク質との関連は不明であった。本研究ではシロイヌナズナのオルソログAtRSGによるGA生合成酵素遺伝子の転写調節の解析を目的とした。パーティクルガンを用いたトランジェントアッセイにより、GA 20-酸化酵素遺伝子(AtGA20ox1)の転写を活性化することが明らかになった。AtRSGが他のGA生合成酵素遺伝子の転写調節にも関与するかを、トランジェントアッセイにより調べた。また、GA信号伝達において核内で抑制因子として機能するDELLAタンパク質とAtRSGによるGA生合成酵素遺伝子群の転写制御の関連について解析した。
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© 2009 日本植物生理学会
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