日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

シロイヌナズナRPOTp(RPOT;3)と高い発現相関性がある遺伝子の生理・分子機能
*山本 俊佑能勢 琢也宇野 知秀山形 裕士金丸 研吾
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0281

詳細
抄録
高等植物色素体ゲノムはT7ファージ型RNAポリメラーゼNEPと細菌型RNAポリメラーゼPEPによって転写される。色素体コードのaccDrpo遺伝子群はNEPに絶対依存的に転写される。一方、光合成系遺伝子は主にPEPによって転写される。遺伝子発現は一義的には転写レベルで規定されるが、色素体内で、RNAのエディッティング・トリミング・スプライシングといった転写後調節が、機能性RNAや活性型タンパク質の適切かつ十分な発現に重要である場合が多い。ATTED-IIデータベースを利用し、シロイヌナズナの主要なNEPであるRPOTpの発現様式ともっとも高い相関性を示す遺伝子を検索したところ、PPRタンパク質をコードする遺伝子がみつかり、PPRTpと名づけた。pprTp変異株は強いアルビノ表現型を示し、地上部の形態形成の異常も観察された。この変異株ではrpo遺伝子群のRNAエディッティングは正常に起こっていたが、accD遺伝子のRNAエディッティングが起こらなくなっていることが明らかになった。またそのほかの色素体遺伝子やタンパク質の発現への影響も様々であった。これらのデータからaccD mRNAのRNAエディッティングを介したPPRTpの生理・分子機能について議論する。
著者関連情報
© 2009 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top