日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ発達種子におけるアブシジン酸生合成制御機構
*瀬尾 光範菅野 裕理原田 祥世Effroy DelphineFrey AnneLefebvre ValerieClement Sabine神谷 勇治North HelenMarion-Poll Annie
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p. 0461

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抄録
アブシジン酸(ABA)は、種子休眠と発芽の調節に重要な役割を果たしている植物ホルモンである。我々はシロイヌナズナにおいて、AtNCED6およびAtNCED9によってコードされる9-シス-エポキシカロテノイドジオキシゲナーゼ(NCED)が、種子におけるABA生合成に主要な役割を果たしていることを明らかにしてきた。プロモーター・レポーター系およびin situ ハイブリダイゼーション、RT-PCRにより、AtNCED6は種子形成前期から中期にかけての胚乳において発現していることが明らかになった。一方、AtNCED9は種子形成中期の種皮および種子形成後期の胚において発現している。これらの結果は、ABA生合成が種子形成過程において、時期および組織特異的に調節されていることを示唆している。しかしながら組織特異的なABA生合成を調節する因子と、組織特異的に生合成されるABAの生理的役割はほとんど明らかになっていない。我々はAtNCED6およびAtNCED9のプロモーター解析をおこなうことで、複雑なABA生合成制御機構を明らかにすることを試みている。さらに、発達種子中で組織特異的にABAによって発現が制御される遺伝子の特定を進め、その生理的機能と作用機構の解明に取り組んでいる。
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© 2009 日本植物生理学会
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