日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ラン藻Leptolyngbya boryanaにおける光依存型プロトクロロフィリド還元酵素の大量発現
*小島 寛子大城 香藤田 祐一
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p. 0604

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抄録
クロロフィル(Chl)の生合成の最終段階の反応をおこなうプロトクロロフィリド(Pchlide)還元酵素には、進化的起源が異なる二種類の酵素、暗所作動型Pchlide還元酵素(DPOR)と光依存型Pchlide還元酵素(LPOR)が存在する。被子植物はLPORのみによりPchlide還元を行うため、暗所において黄化し、エチオプラスト内にPchlide-NADPH-LPOR三者複合体を主要因子とした、半結晶構造のプロラメラ体(PLB)を構築する。LPORはラン藻を始め酸素発生型光合成生物に広く分布するが、被子植物以外の多くの光合成生物はDPORを併有するために暗所においてもChl生合成が進行し、PLB構造を形成しない。PLBという特異な構造が進化的にどの段階で生じるようになったのか、またPLB形成がLPOR固有の性質によるのかについてはほとんど不明である。本研究では、ラン藻Leptolyngbya boryana por遺伝子をE. colitrcプロモーター下で発現を制御するプラスミドを構築し、L. boryana chlL欠損株に導入した。chlL欠損株は暗所で大量のPchlideを蓄積する。その条件で、大量発現させたLPORの存在状態について、細胞分画・電顕観察を行ったので報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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