日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ミヤコグサ-根粒菌共生における感染糸形成に関わる因子について
*堀口 浩史貫井 憲之中川 知己権藤 崇裕磯部 祥子川口 正代司綾部 真一青木 俊夫
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p. 0990

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抄録
マメ科植物と根粒菌との共生窒素固定において、根粒菌が根毛先端部から侵入する際には感染糸と呼ばれるトンネル状の構造が形成される。宿主植物は根粒数を制限することで窒素固定とエネルギー消費のバランスをとっており、感染糸形成過程も一定の制御を受けていると考えられる。本研究では、感染糸形成の制御機構解明を目的として、いくつかの遺伝学的解析を行った。ミヤコグサ(Lotus japonicus)の標準系統であるGifu B-129及びMiyakojima MG-20にGUS標識した共生根粒菌Mesorhizobium loti MAFF303099(ML-GUS株)を接種し感染糸を可視化したところ、両系統間で著しい感染糸数の差が見られた。Miyakojima、Gifuの組み替え自殖系統(LjMG RILines)を用いてML-GUS株による感染実験を行い、複合区間マッピングによるQTL解析を行った。その結果、LOD値3.3を示す遺伝子座が一カ所見いだされた。これまでに報告されている13の農業形質との間の相関関係を解析したところ、感染糸数は茎の色、莢幅、一莢粒数とのあいだに有意な相関が見られた。また、MiyakojimaとGifuがエチレン生合成前駆体1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸に対して異なる感受性を示したことから、これらの形質とエチレンシグナルとの関連を調査中である。
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© 2009 日本植物生理学会
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