日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナのMiro GTPaseである MIRO1は胚発生におけるミトコンドリアの形態と分配の制御に必要である
*山岡 尚平中島 将貴藤本 優堤 伸浩
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p. 0575

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抄録
ミトコンドリアの形態・細胞内分布・分配の制御は、植物の成長と発生にとって必要不可欠である。我々はこれまで、進化的に保存されたミトコンドリア局在型GTPaseであるMIRO1がシロイヌナズナの胚発生に必要であることを示したが(Yamaoka & Leaver, Plant Cell 2008)、その作用機序は不明であった。そこで今回、シロイヌナズナの卵細胞および初期胚のミトコンドリアをGFPにより可視化した植物を作成した。二光子レーザー顕微鏡を用いた観察により、miro1変異体の卵細胞や初期胚においてミトコンドリアの異常な肥大化が生じ、それにより細胞分裂に伴うミトコンドリアの分配が不完全となることを明らかにした。このことから、MIRO1は胚発生においてミトコンドリアの形態と分配の制御に重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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© 2010 日本植物生理学会
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