高校生の地域の居場所が求められる東日本大地震からの復興・地方創生政策という背景から,筆者は福島県白河市において高校生を対象としたコミュニティ施設を運営してきた.福島県において高校生にサードプレイスを提供することを目的とした施設の設置・運営の実践報告を通じて,その機能と職員の役割について整理を行った.高校生の居場所「コミュニティ・カフェ EMANON」には,居心地のよい場所を提供する居場所機能・実社会での探究学習の機会を創出するための伴走支援を提供する活動拠点機能・高校生が社会関係資本を構築する支援を行う社会関係の橋渡し機能の三つの機能がある.職員はそれぞれの機能に応じてロールモデルやメンター・コーチ,コーディネーターなどの役割を担っている.役割を実現する職員の資質・能力として,対話的で開かれた態度や,キャリア構築に伴走する力,関係者との合意形成を実現する協調力・発信力を示唆した.