1978 年 17 巻 2 号 p. 11-20
1978年5月18日, 妙高火山白田切川に発生した土石流は新赤倉温泉を中心に多くの被害をもたらした。筆者は災害前後の空中写真による判読と計測, および現地調査を行って, 土石流の氾濫と地形との関係を検討し, 次のような知見を得た。
(1) 土石流が氾濫したのは河床の浅い所である。
(2) 土石流が氾濫したのは河道の攻撃斜面側である。
(3) 河道に沿う自然堤防状の微高地か土石流の氾濫域を規制している。
以上の知見は火山地域における土石流災害予測を考える場合に重要であると考えられる。