手持ちの非測定用カメラで撮影された斜めカラー空中写真を用いて, あたかも鉛直方向に向けて撮影したような画像を数値解析的に得るには, 非測定用カメラの外部標定のみでなく内部標定を行わなければならない。本研究は, 35ミリの手持ちカメラによって撮影された沖繩海岸域の斜めカラー空中写真をテストケースとして, 上記の標定問題を取り扱ったものである。本研究の成果によれば, 実用的に利用可能な精度で標定が可能であり, 解析的歪修正が可能であることがわかった。付随して, 内部標定によって決定される主点位置のずれと焦点距離にもとずく写真座標の精度より, 地上基準点の精度の方が全体的な精度に強く影響をおよぼすこともわかった。