写真測量とリモートセンシング
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ビデオ・カメラを用いたオートトラッキング
―浮体動揺計測への応用―
田中 剛中塚 健司
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1986 年 25 巻 Special1 号 p. 12-18

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抄録

本文はビデオカメラを用いたオートトラッキング装置による“動くもの”の計測手法について述べたものである。例として海洋構造物等に用いられている浮体の動揺計測手法を示した。
本文の内容は下記のとおりである。
(1) 本装置の概略仕様 (2) 本装置を用いた計測手法およびその特長 (3) 本装置による2次元浮体動揺の解析手法および解析結果の例本文に示した装置は, モニター画面上での対象物体の映像の位置座標 (X, Y) をビデオカメラからの映像信号を用いて1/30秒毎にデジタル値で検出する。また対象物体の移動に沿って自動的に追跡する機能をもつ。
複数 (最大8個) の対象物体の同時計測も可能で, 浮体測面につけた2点のマークを対象物体として同時計測することによって, 得られた2点の座標値はヘルマート変換を用いた演算処理で2次元浮体動揺の3成分 (スウェイ, ヒーブ, ロール) に変換される。
本装置の精度は通常の写真測量の精度に比べて劣るが, 計測の目的によっては十分対応できる精度である。
本装置による移動物体の計測手法は, 非接触型でかつ従来の手法に比べ非常に簡便であるため各種分野への応用が期待される。

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© 社団法人 日本写真測量学会
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