1995 年 34 巻 5 号 p. 45-48
時系列のSAR画像は, その全天候型という特徴から, 熱帯地域での土地被覆変化のモニタリングのための有効なデータソースとしての利用が期待される。本研究では, SAR画像における後方散乱強度の変化の物理的な意味を調べるため, 同じ日に取得されたJERS-1/SARとランドサットTM画像を用いて, SARの後方散乱強度とTMデータから抽出される土壌湿潤指数 (SWI) および植生指数 (PVI) との間で回帰分析を行なった。その結果, SARの後方散乱の変化が土壌水分と植被状況の両者の変化に関係することを示唆する結果を得た。