日本惑星科学会秋季講演会予稿集
日本惑星科学会2003年秋季講演会予稿集
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ポスターセッション1 10/8(水)15:45~17:00
非圧縮SPHコードを用いた液滴の変形と分裂のシミュレーション
*佐藤 潤一中本 泰史三浦 均
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p. 22

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抄録

コンドリュールを形成するためのメカニズムのひとつに衝撃波加熱モデルがある。最近、このモデルは精力的に研究されており、形成されるコンドリュールのサイズ分布などが、このモデルを用い予言されている。コンドリュールの最小サイズは、ダストの蒸発の観点から評価されている(Miura et al. 2003)。一方、コンドリュールの最大サイズは、液滴の表面張力と高速流の動圧のバランスから大まかに見積もられている(Susa & Nakamoto 2002)。しかし、分裂など非線形現象まで含んだコンドリュールの最大サイズの評価は、まだ十分に行われていない。そこで我々は、この現象を数値シミュレーションにより理解することを考えている。その一歩として、今回我々は非圧縮SPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)コードを用いて高速流にさらされた液滴の変形と分裂のシミュレーションを行った。なお今回のシミュレーションは、簡単のため2次元とした。このコードは、液滴表面に働く表面張力の作用も含んでおり、表面張力による液滴の振動を正確に再現できる。我々は、このコードから液滴の変形と分裂に対するウェーバー数依存性を確かめた。将来、我々は以上の結果を衝撃波加熱によるコンドリュール形成問題におけるサイズ分布の定量的な解析のために用いる予定である。

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