主催: 日本惑星科学会2004年秋季年会実行委員会
コンドリュール内部に含まれるS(硫黄)に、ダスト加熱フェイズにおける蒸発に伴う同位体分別がほとんど見られないのは、Sが蒸発する暇もないほどダストが素早く加熱された(速い加熱速度)からだという説がある。衝撃波加熱コンドリュールモデルには、衝撃波後面におけるガス摩擦(加熱速度が極めて速い)と、衝撃波後面からの輻射による加熱(加熱速度が比較的遅い)が存在する。本研究では、衝撃波後面で発生した分子輝線・ダスト熱放射に対する輻射輸送方程式を解き、輻射加熱率を定量的に求め、衝撃波前面におけるダストの熱史を計算し、衝撃波前面が光学的に薄い場合には同位体分別が抑えられるほど加熱速度が速くなることを確認した。