主催: 日本惑星科学会2006年秋季年会実行委員会
S型小惑星と普通コンドライトの可視・近赤外反射スペクトルが一致しない問題に関して、宇宙風化説が最も強力であったが、はやぶさによるイトカワの可視・近赤外観測によって、それが一層確実になった。イトカワは明暗の部分で構成されているが、そのどちらをどのスケールで観測しても、そのスペクトルは知られている隕石の中ではLLコンドライトのみに対応し、平均光路長と宇宙風化度のみが変化しているように見える。これは、HおよびL型も合せた普通コンドライトでできたS型小惑星が、近地球領域に多く存在することを強く示唆する。