抄録
今回、平成9年8月に埼玉県内の保健所に対して、母子保健事業の1つである発達相談に関するアンケート調査を行った。この事業は、近年、急速に各保健所に広まりつつある事業で発達の遅れのある子どもを対象としており、理学療法士(以下PTと略す)の参加も多い。そこでこの事業の現状を把握しPTが関わる上での今後の課題を検討する事を目的にこの調査を行った。27カ所ある保健所(支所含む)中25カ所から返答を得られた。調査により、発達相談事業は県内保健所の80%以上で実施されており、そのうちの70%以上にPTが参加していることがわかった。また対象者の年齢が低く早期の療育の一部を担っているが、開催数が年平均12回と少ないことや、受け入れ人数にも限りがあり、PTの指導内容には多くの工夫が望まれ得ることが示唆された。