社会学評論
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余暇と都市生活
余暇の社会学的研究のためのパースペクティヴ
日高 千尋
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1977 年 28 巻 1 号 p. 72-86

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抄録

都市生活者の余暇の特徴は、彼の生活が時間的にも空間的にも分離しているという事実に大きく関わっている。そこでは、余暇もまた、都市の生活様式が表現される一つの領域を形成しているのである。
現代の都市生活の中にあって、余暇は、個人が自分の生活の中に一定の時間と空間を配分する方法に基づいて、機能的に連関している生活行動のうちの、余暇行動という相対的に制度上の義務を伴うことのない活動の遂行で満たされた領域と言うことができる。余暇の社会学は、この領域に表われる生活様式を研究することを主題とするものである。そのためには、活動それ自体ではなく、活動と密接な関連を持っている生活領域の把握から出発する必要があり、余暇研究の重要な焦点として、生活時間構造、職業文化セクター、家族文化セクター、地域社会文化セクター、余暇文化セクターという五つのスキームがあげられる。

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© 日本社会学会
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