社会学評論
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経済行動への社会学的アプローチ
効用理論との比較を通じて
間々田 孝夫
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1979 年 29 巻 4 号 p. 16-30

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抄録

経済行動を扱った理論には、新古典派経済学が展開してきた経済行動論と近年盛んになってきた行動科学的な経済行動論とがあり、両者はその関係を十分明らかにされないまま併存している。本稿は社会学を中心とした行動科学の立場に立って、まず第一に両者の性格を比較作業によって明らかにし、第二にそれを通じて行動科学的な経済行動論のメリットを明確にとらえることを課題とするものである。ただし、考察の対象は経済行動の中で最も重要な位置を占める消費者行動に限定している。
経済学における消費者行動論と行動科学的な消費者行動論とは、理論の形態に顕著な相違が見られる。そのため、行動科学的な立場からしばしば経済学の消費者行動論に対する批判がおこなわれる。しかし理論形態のレベルにとどまらず、理論の目的についても考察するのでないと、こういった批判は不毛なものに終わる。経済学の消費者行動論は論理整合的な体系を構築するという目的を設定する限りはたしかに有効である。それに対して行動科学的な消費者行動論は、統計的なものにせよ非統計的なものにせよ、具体的・実証的分析と結びつく場合に有効性を発揮するものであって、この点が強調されなければならないのである。

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