社会学評論
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〈情報化〉時代の産業と労働
豊田 謙二
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1988 年 38 巻 4 号 p. 400-409,495

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抄録
今日の情報革命は、産業の情報化と情報の産業化によって進展している。その革命は、工場やオフィス、さらに家庭をも巻き込みながら展開している。それは、大量生産と大量消費によって特徴づけられる社会とは一線を画すことになりそつである。本稿は、この時代の社会構造の特質を、生産と消費の循環論的視座から描き出そうとするものである。
その革命的推進力は、産業のメカトロニクス化である。そのメカトロニクス機器を使って、工場ではFA (ファクトリー・オートメーション) 化が、オフィスではOA (オフィス・オートメーション) 化が進行し、省エネ化と省人化を実現している。
メカトロニクス機器は、情報通信機器としての機能を併せもつ。その機器を利用して、工場やオフィスでコンピューターの制御によるシステム化が進みつつある。また、オンラインを利用した企業間の情報ネットワーク化も進んでいる。それは、受注して出荷するまでの時間と労力を節約し、労働の生産性を高めるためのものである。またそれは、消費需要の状況と変化に関する情報を、即時に生産現場に伝えるためのものである。
こうした展開のなかで、工場の労働過程は、文字通り科学技術の過程に転化している。情報化は、一方では熟練技能工の職場を狭め、他方では情報処理労働者の需要を惹き起こす。産業構造の転換に伴う労働力需給のミスマッチは、教育問題を政治化しつつある。
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